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介護職員なら違いを知っておきたい臥位の種類

介護職員なら違いを知っておきたい臥位の種類 介護転職ブログ

医療や介護の世界では、人間の姿勢を「立位(りつい)」「座位(ざい)」「臥位(がい)」の3種類で区別しています。その中でも臥位は向きによって言葉が異なり、言葉で言われてもとっさに行動できない方も多いはず。

そこで今回は、臥位の種類について分かりやすく説明したいと思います。しっかりと理解して仕事につなげましょう。

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側臥位(横臥位)

枕の使用有無は問わず、横を向いて寝る姿勢のことを側臥位または横臥位と呼びます。

身体の側面のみが接地しており、本人から見て前後のどちらにも倒れやすい姿勢となっています。手を少し伸ばして正面に置く、もしくは足を少し開くことで安定感を保ちやすくなります。

左側臥位

本人が左側を向いた状態の側臥位を左側臥位と呼びます。職場によっては「ひだりそくがい」や「さそくがい」など呼び方は様々。

ちなみに浣腸を行う時は左側臥位が適していると言われています。その理由は、結腸は右から左に向いており、浣腸液が奥までちゃんと入っていきやすいとか。

右側臥位

本人が右側を向いた状態の側臥位を右側臥位と呼びます。職場によっては「みぎそくがい」や「うそくがい」など呼び方は異なります。

右側臥位は嘔吐した際に有効とされています。胃は左上から右下に伸びておりの、右を向くことで胃の中にある残留物の逆流を防ぎます。

ですので、寝たきりの高齢者が嘔吐している場合は、誤嚥防止のため速やかに右側臥位に体位変換を行いましょう。

仰臥位

仰向けに寝る姿勢を仰臥位と言います。側臥位に比べて接地面積が広く、安定している姿勢になります。仰臥位は、身体の各部位がほぼ同じ高さとなるため血行促進の効果もあります。

また、腹式呼吸をしやすい姿勢となり血圧上昇の効果もあります。なお、人間が寝る姿勢として一番の自然体であるため、精神を安定させるのにも適している姿勢と言われてます。

伏臥位(腹臥位)

うつぶせに寝る姿勢を伏臥位または腹臥位と言います。顔は横を向いた状態となり、両腕は頭の周辺で組むことが一般的です。

伏臥位(腹臥位)は、胸部や腹部といった呼吸器に体重の負荷がかかるため、非常に呼吸がしづらくなります。そのため、医療や介護の現場では必要時以外で行うことは少ないでしょう。

なお、胸部や腹部の下に枕やクッションを入れることで息苦しさは緩和されます。また、頭部だけを高くすると頸椎と腰椎の湾曲により腰痛を引き起こする場合もあるため注意が必要です。

端座位

端座位は、椅子やベッドから足(下肢)を下げ、背もたれに背中を付けずに座る姿勢のことです。深くは腰かけず、すぐに立ち上がれるような姿勢となります。

ちなみに、椅子などに深く腰掛け、背もたれに背中を付けた姿勢を椅子座位と言います。端座位や椅子座位は座位の種類で臥位には含まれませんが、一連の動作位に関連するということで追記しました。

臥位姿勢は適切な使い分けを心がける

就寝時に最もリラックスできる姿勢は人によって様々。横向きが落ち着くという人もいれば、仰向けが落ち着く人もいます。中にはうつ伏せで寝ることが習慣になっている方もいるでしょう。

しかし、医療や介護の現場では、本人の意思に以外にも医学的な観点による適切な姿勢というものが存在します。

ですので、処置のし易さや身体への負担軽減のため、適切な姿勢になるよう本人を説得するのも介護職員の仕事。

「この姿勢だとこういった効果がある」など、説得力のある説明ができるように、臥位の種類を覚えるのは重要なことでしょう。

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