看護助手とは、その名の通り看護師のサポートをする職業のことで、医療介護職やナースエイドとも呼ばれるています。
平成22年から診療報酬に看護補助者体制加算が加わったため、医療機関も積極的に看護助手を採用する動きが見られ、非常にニーズが高まっている職業です。
看護助手の仕事内容や役割
看護助手は、看護師が行う医療行為以外の業務が主な仕事内容となります。
看護助手は職種名に「看護」と付きますが、看護師とは全くの別職種になり、医療従事者ではありません。そのため、基本的には医療行為を行うことは許されていません。
看護助手は看護師のサポート役
看護助手は看護師のサポート役で、補助業務が仕事内容となります。良く言えば看護師アシスタント、悪く言えば雑用係といったところでしょうか。
看護助手の具体的な仕事内容は以下になります。
病室清掃・管理 | シーツ・リネン交換、ベッドメーキング、清掃、洗浄、消毒、備品管理 |
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患者様の身体介護 | 食事介助、配膳・下膳、排泄介助、オムツ交換、入浴介助、清拭、着替え、体位変換、移乗介助など |
手術室清掃・管理 | 手術器材の管理、滅菌、清掃 |
その他事務作業 | 資料作成、カルテの移送 |
つまり、病棟内での医療行為以外は全て看護助手の仕事と言ってもいいほど、看護助手の業務範囲は非常に幅広くなっています。
その中でも、入院患者様の身体介護が大半となります。勤務先が医療機関というだけで、実際の業務は老人ホームにおける介護職員となんら変わりありません。
患者様のメンタルサポートも看護助手の役割
長期入院する患者さんにとって、身の回りの世話をしてくれる看護助手は、とても身近な存在になります。そのため、医師や看護師では知り得ない悩みを聞くこともあるでしょう。
医療介護に関する知識や技術も求められますが、心身ともに病んでいる患者様のメンタルサポートも、看護助手の重要な役割なのかもしれません。
病棟と外来で違う看護助手の仕事
看護助手には病棟と外来の2種類の勤務先があり、それぞれでの仕事内容全く異なります。
病棟看護助手の仕事内容 | 看護師のアシスタント業務で、主に身体介護などを行う。求人募集は多い。 |
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外来看護助手の仕事内容 | 外来患者様を診察室へ案内したいり、病院内の清掃、カルテ・書類の管理が仕事内容。求人募集は少ない。 |
身体介護がない分、外来看護助手の方が体力的負担は少ないのかもしれません。ただ、カルテや資料作成などの事務作業は増えるため、細々とした作業が苦手な方は大変でしょう。
求人募集数に関しては、病棟看護助手が8割に対して、外来看護助手が2割といったところです。
患者様がセクハラしてくる?
老人ホームと違い、病院に入院する患者様は比較的若くて元気な方が多く見られます。
そのため、下ネタにとどまらず、平気でお尻や胸を触るなどのセクハラをしてくる患者様も少なくありません。
立場上、怒るに怒れないので、気にせず笑い流す度胸も必要と聞きますが、あまりにもしつこい場合は、看護師長に相談してキツく言ってもらいましょう。
看護助手の主な職場
看護助手の主な職場は、病院、療養施設、クリニックなどの医療現場です。
さらに細かく分類すると、内科、外科、精神科、小児科、産婦人科など、同じ病院内でも配属先の診療科や病棟によって、業務内容や求められるスキルが異なります。
内科 | 患者様の案内、カルテ管理、清掃などの雑務。 |
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外科 | 身体介護がメインの体力仕事。その他にも雑務あり。 |
精神科 | 身体介護に加え、患者様とのコミュニケーション能力が求められる。患者様からの暴言暴力は日常茶飯事。 |
小児科 | 診察室での補助や病棟での看護などでは、子供の扱いを知っておく必要がある。 |
産婦人科 | 産後の女性へのサポートの他、哺乳瓶やオムツなど赤ちゃんに必要な機器の管理。 |
どこの診療科の仕事が楽なのかは一目瞭然だと思いますが、大変な職場ほど給料は高くなります。
それよりも、どういった医療の現場で、どういった方の看護をしたいかで職場を選ぶといいでしょう。働く目的はやりがいに直結し、やりがいは仕事を長続きさせるために欠かせません。
看護助手の仕事は女性が多い職場
厚生労働省の調べによると、看護師(准看護師)として働く方の90%以上が女性となっています。つまり、付随する看護助手の職場は女性社会。
そのため、お局(師長)の存在や、ピリピリとした派閥があることは、決して珍しいことではありません。特に職員数が多い大規模な病院は要注意です。
ちなみに、男性看護助手は大歓迎されるそうです。
看護助手の平均年収と給料
時給 | 月給 | 年収 | |
---|---|---|---|
パート | 900円 | – | – |
正社員 | – | 18万円 | 274万円 |
派遣社員 | 1200円 | 22万円 | 253万円 |
正社員の月給はそれほど高くありませんが、ボーナスや産休育休など、医療機関ならではの高待遇と福利厚生が最大のメリットと言えるでしょう。
長期的に考えれば、介護施設で働く場合よりも高年収が期待できるかもしれません。
ただ、看護助手の求人の大半は派遣社員での募集になりますので、紹介予定派遣を活用して正社員を目指す方法がおすすめです。
看護助手の勤務時間と休日
外来看護助手であれば、病院の診療日や時間にあわせた勤務時間になります。
一方の病棟看護助手では、24時間365日体制で入院患者のサポート行うため、土日祝関係なく、早番、中番、遅番、夜勤といったシフト制が組まれています。
看護助手に関連する資格
看護助手実務能力認定試験
看護助手実務能力認定試験とは、看護助手が医療施設において即戦力として活躍するための知識や技能を客観的に判断する試験で、全国医療福祉教育協会 が運営する民間資格です。
メディカルワーカー
メディカルワーカーとは、看護助手に求められる能力を証明する資格で、医療福祉情報実務能力協会 が運営する民間資格です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修はホームヘルパー2級にあたる資格で、これから介護業界として働きたい人向けの資格。身体介護業務が多い看護助手にも役立つ資格です。
実務者研修
実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格にあたり、介護福祉士を取得するために必要な資格です。
介護福祉士
介護福祉士は、介護士系資格で唯一の国家資格です。看護助手の転職にも非常に有効な資格で、保有者には資格手当が付く場合もあります。
看護助手のキャリアプラン
残念ながら「看護助手を数年経験したら看護師になれる!」といった制度はありません。看護師として働くには、専門学校か大学へ進学し、国家資格に合格する必要があります。
ただ、看護助手として働いたことで、勤務先の病院から推薦が得られる可能性もあります。病院推薦が貰えれば、幾分か看護師学校への入学が優位になるでしょう。
もしくは、介護福祉士を目指すという道もあります。
看護助手として働いた期間も、介護福祉士受験資格の実務経験年数に含まれますので、あとは実務者研修を修了し、筆記試験に合格できれば介護福祉士として働くことができます。
当然、看護師を目指す方が大変ですが、医療従事者と介護職員の給料の違いは雲泥の差。年収だけで考えるなら、遅かれ早かれ看護師を目指す方が得策なのかもしれません。
ただし、仕事のやりがいに関しては別。辛い仕事は長続きしないので、せっかく看護師学校を卒業しても早期退職しては全くの無意味に終わります。
ですので、看護師を目指すのか、介護福祉士を目指すのかは、看護助手として働きながら、じっくり見極めると良いでしょう。
看護助手のやりがい
- 無資格未経験でも医療現場を体感できる
- 子供から高齢者まで様々な患者さんと接することができる
- 医療に従事したケアワーカーのスキルが身に付く
看護助手になるには?
昨今では高齢者の入院患者様が増え、看護助手のニーズは年々増加傾向にあります。
給料は介護施設勤務の職員と同等ですが、病院勤務ならではの待遇や福利厚生は、看護助手として働く魅力と言ってもいいでしょう。
そんな看護助手は、看護師免許がなくても働くことは出来ます。それどころか、無資格未経験でもOK!
介護職同様に、看護助手は慢性的な人材不足のため、実務未経験でも採用される可能性は非常に高くなっています。
ただ、介護業務がメインになるため、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの資格があれば、さらに採用面接で優位になるでしょう。
もちろん、あなたが介護経験者であれば即戦力として期待されますし、給料などの条件交渉も進めやすいはず!
もし「介護施設での賃金や待遇に納得いかない!」ということであれば、一度、病院の看護助手として働いてみてはいかがでしょうか?
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