介護業界で働く場合、多くの方は正社員として働く道を選ぶと思います。しかし、正社員以外にも契約社員やパート・アルバイトといった、非正規雇用として働く選択肢もあります。
その中でも、最近、人気が高まっている働き方こそが派遣社員です!一般的に「派遣社員」と聞くと、あまり良いイメージが浮かばないという方も多いと思いますが、介護業界において派遣という働き方はメリットが豊富なんです!
そこで今回は、介護の派遣社員として働くメリットとデメリットについて分かりやすくまとめみました!
介護派遣として働くメリット
まずは、介護の派遣社員として働くメリットからご紹介します。あまり知られていませんが、派遣には介護業界ならではのメリットが意外と多いようにも感じられます。
介護派遣なら高時給で正社員よりも稼げる?
介護業界は全体的に給料が低め。厚生労働省が行っている賃金構造基本統計調査(平成27年度)によると、ホームヘルパーを含む介護職員の平均月給は月23万円となっており、全職種の平均よりもかなり低い水準となっています。
しかし、介護派遣なら月30万円以上を稼ぐことも可能!派遣求人の中には時給1800円以上のお仕事も多く募集されており、毎日定時きっかりに帰ったとしても正社員以上の給料となるんです!
私も過去にサービス付き高齢者住宅の夜勤派遣で働いた経験があるのですが、1回16時間(休憩2時間)の月10回出勤で、夜勤1回3万5490円で月給35万4900円になりました!そこから社会保険などもろもろ引かれても、手取りで月30万円以上残りましたよ!
介護派遣の時給が高い本当の理由
このように、介護派遣の時給が異常に高くて正社員よりも稼げてしまう理由は、介護職の離職率の高さが原因。
急に職員が辞めてしまうと、採用担当は急いで人材募集をはじめます。人手が足りないと現場が回らないことも理由ですが、最大の目的は介護保険制度をクリアするため。
介護保険制度では、一定数以上の職員を配置しなければいけないという基準があり、これに違反すると介護報酬が減額されたり、最悪の場合罰則を受けて廃業してしまうケースもあるそうです。焦る理由はこれです。
そのため、一刻も早く人員を確保したいのが雇用側の本音。すぐに、介護求人サイトで広告を掲載して、会社のホームページも更新することでしょう。しかし、直ぐに応募があるほど介護業界の人材採用は簡単ではなく、採用担当は最後の手段として介護スタッフの派遣を依頼しています。
現在、こういった介護施設や事業所が全国各地に溢れており「とりあえず誰でもいいから介護職員に働いて欲しい!」といった依頼が、介護派遣会社に殺到しているのです。
そのため、介護派遣の時給相場が高騰。相対的に派遣社員の時給も高くなっているということです。
介護派遣なら残業なし
派遣社員の給料は時給制となっており、働いた分だけ月給に反映されていきます。ですので、正社員のように月額使い放題ではありません。
しかし、時給という点ではパートも同じ。派遣社員ならではのメリットは?と疑問に感じる方も多いでしょう。そこで注目したいのが派遣社員の雇用関係です。
パートの雇用主は介護施設や事業所となり、同じ非正規雇用でも直接雇用となります。しかし、派遣社員の雇用主は派遣会社となり、介護施設や事業所はあくまで派遣先にすぎません。
直接雇用の場合、上司の命令は絶対。「時給は出ないけどちょっと手伝って」と言われれば、大半のパートさんは「ちょっとなら…」と、しぶしぶサービス残業に突入することでしょう。
しかし、雇用元が派遣会社の派遣スタッフに「時給は出ないけどちょっと手伝って」は通用しません。なぜなら、派遣スタッフのタダ働き=派遣会社の損失=派遣契約違反となるからです。
また、暗黙の了解がある直接雇用とは違い、派遣社員は労働者派遣法という法律に守られており、身勝手な残業を強いることは不可能なんです。
介護派遣なら残業がしたくなる?
派遣社員にはサービス残業がないということは、十分にご理解いただけたと思いますが、それでも残業をお願いされる場面が少なからずあることでしょう。
しかしご安心ください!派遣社員は労働者派遣法に守られていると同時に、労働基準法にも守られています!ですので、仮に規定の1日8時間の労働時間を超過してしまう場合は、割増賃金として規定の時給に25%以上を上乗せした時給が残業中は適用されるんです!
例えば、時給1800円の仕事で残業した場合、残業中の時給は25%アップの時給2250円となります!とんでもないですね!これなら喜んで残業したくなります!
ただ、派遣社員の時給が高くなるということは、依頼元の派遣会社へ支払う料金も高くなるということ。逆の立場になってみれば理解できると思いますが、介護事業者にそんな高時給を支払う余裕なんてありません。つまり、そういった背景も派遣社員には残業させない(残業させたくない)という結果につながっているのです。
介護派遣はスキルアップにつながる
介護派遣に登録して3年ほど働けば、様々な業態の介護施設で働く機会があると思います。介護は経験が物を言う職業ですので、より多くの現場を経験した方の方が圧倒的に能力が高く、人材価値も高いと言えるでしょう。
例えば、住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームといった、元気な入居者様が多い職場に5年勤務した介護職員と、要介護度3以上の高齢者しかいない特別養護老人ホームや、認知症対応型のグループホームなど、様々な施設業態を3年間渡り歩いた介護職員であれば、経営者は後者の人材を採用したくなるものです。
もちろん、人材採用では人間性や保有資格といったポイントも重要になりますが、より多くの介護現場を経験しているということは、施設側としても優秀な人材として優遇するでしょう。
派遣なら職場を変えても職歴は汚れない
より多くの現場を経験するとなった場合、正社員やパートなら一箇所ごとに履歴書を書いて面接を受けてなど、面倒な転職活動をしなければなりません。おまけに、転職するたびに「◯◯施設に入社」「◯◯施設を退社」と転職回数が増えてしまい、場合によってはマイナス評価になりかねません。
しかし派遣社員なら、職場の変更は転職ではないので、履歴書に記入する転職欄も増えることはありません!つまり、職務経歴が汚れないということ!
様々なケースで臨機応変に対応できる介護スキルを身に付けるなら、短期間で多くの現場が経験できる派遣社員という働き方が、最も効率的なのかもしれませんね!
紹介予定派遣なら正社員にもなれる
登録型派遣と呼ばれる一般的な派遣の他に、紹介予定派遣という雇用形態もあります。紹介予定派遣とは正社員登用前提の派遣のことで、簡単に言い換えると「派遣先でそのまま社員になってもいいですよ」という新しい仕組みのこと。
もちろん、派遣先と派遣社員との双方の合意のもと直接雇用契約が行われますので、「この職場はちょっと違うな…」と思えば、次の施設に移ることも可能ですよ。
正社員になる職場を見極められる?
一般的な正社員転職は、働くまで分からないという事がたくさんありますよね。職場の雰囲気や人間関係、独自のやり方や言い回しなど、仕事をしてから気づく後悔も多いことでしょう。そんなギャンブル要素の強い転職は、かなりのリスクだと思いませんか?
そこでおすすめしたい新しい正社員の転職方法こそが紹介予定派遣です。派遣社員として実際に働きながら、仕事内容や職場の雰囲気を体感できるので、正社員として長く働く職場をじっくり見極めることができますよ。
介護派遣として働くデメリット
続いては、介護の派遣社員として働くデメリットを包み隠さずご紹介していきます。一般的にマイナスイメージが強い派遣社員ですが、介護業界でもそれが当てはまるのか確認していきましょう。
派遣社員は有期雇用で契約期間がある
派遣社員には、派遣元と派遣先での派遣契約期間というものが存在し、契約社員と同様に有期雇用となります。正社員のように退職するかクビになるまで働くことができる、というものではありません。
一般的に派遣社員の派遣契約期間は1ヶ月単位で決められていますが、求人によっては3ヶ月や半年といったケースもあります。
また、派遣社員を利用する介護施設や事業所の多くは、緊急的に職員を必要としている場合が多く、正社員やパートなどの直接雇用で採用ができれば、派遣社員をお願いする理由がなくなります。そのため「来月からは派遣不要」と、急に契約が終了になることもあるでしょう。
求人サイトに募集をかけても、全く人が集まらない介護施設は星の数ほどありますが、派遣社員は契約期間の元で働くことになります。同じ職場で継続となるか契約終了かは、施設の状況次第で明確ではありません。
介護業界も派遣切りはある?
派遣と聞けば「派遣切り」といった言葉を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、人手が足りない介護現場では、そういった古いやり方を行う派遣会社はありません。
ただ、人材の質がサービスの質に直結する介護業界では「仕事が全然できない人」もしくは「やる気がない人」は容赦なく解雇といった形が取られるでしょう。また、派遣先の強い申し出により、当初の予定よりも早い段階で契約が終了になる場合もあります。
つまり「介護職だから大丈夫」といった考えで仕事を舐めていては、恐れている派遣切りもあり得るということです。
派遣は不安定という社会的マイナスイメージ
昔ほどではありませんが「派遣社員は不安定な職業」といったイメージを持つ、古い考えの人も未だに多いです。
例えば、結婚を控えた男性が婚約者の両親に職業を説明するシチュエーション。「娘の結婚相手は公務員以外は許さん!」といった頑固オヤジ系なら、ちょっと気が引けるかもしれませんね。
その他にも、銀行でローンを組むときや賃貸の契約においても、派遣社員という肩書きが審査に影響するという噂も聞きます。
ただ、知人の証券マンから聞いた話によれば、最近では公務員と同じくらい介護職員の信頼が高くなっているそうです。その理由が「介護はこれから必ず必要になる業種で、クビになることもなく、収入が途切れるリスクも少ない」とのことです。
確かに、10年以内に9割の会社が倒産しているという現代日本において、引くあまたの介護職はある意味安定なのかもしれません。超高齢化社会を迎えるころには「介護職=安定」というイメージに変わっていることを期待しましょう。
介護派遣のメリットとデメリットまとめ
いかがでしたか?派遣社員にマイナスイメージしか持っていなかった方も、ちょっとは介護派遣として働いてみたくなったと思います。
もちろん、派遣なりに大変なことや悩みも多いしょうが、そういったことも踏まえて、正社員として働くか、パートとして働くか、派遣社員として働くかを検討することが大切だと思います。
介護派遣のメリット
- 時給が高くて月給30万円以上稼げる
- 残業が少ない
- 残業手当が必ず貰える
- 多くの職場が経験できスキルアップになる
- 紹介予定派遣で失敗しない転職が可能
介護派遣のデメリット
- 有期雇用で契約期間がある
- 派遣切りもありえる
- 派遣は不安定という社会的マイナスイメージ
介護派遣会社のおすすめは?
聞いたことがある会社から、全く聞いたことがない会社まで、介護求人を取り扱う派遣会社は数多く存在しています。他のランキングサイトでもたくさん紹介されていますが、どういった根拠で選んでいるのか、介護経験者の私からすると怪しいサイトばかりです。
そこで、介護の転職を専門にする介護求人ランキングが介護派遣会社を厳選。実際に利用した方からの評判が最も高かった派遣会社は、ニッソーネットのかいご畑です。
かいご畑(ニッソーネット)
ニッソーネットが運営する「かいご畑」は介護派遣会社の最大手。正社員やパートの求人も多数取り扱っていますが、半数以上が派遣のお仕事となっています。時給1400円以上の求人も豊富なので、今の給料に納得いっていない方はご検討を。
また、ニッソーネットの派遣スタッフに登録すれば、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)や実務者研修といった資格が無料で取得できます。ですので、無資格・未経験の方にもかいご畑はおすすめ。働きながら実務経験を積んで、同時に資格も取得できるなんて一石二鳥ですよ。
詳細ページ:かいご畑の口コミ・評判
公式サイト:https://kaigobatake.jp/
介護派遣会社は比較して決める
かいご畑以外でおすすめの介護派遣会社が知りたいという方にのために、介護派遣を利用したことがあるユーザーの口コミ・評判を参考に、介護派遣会社のおすすめランキングを作成しました。その中でも特に評判が良かった上位5社の介護求人サイトをご紹介しています。
「登録する派遣会社はじっくり比較して決めたい」「どこの派遣会社に登録したらいいか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
コメント