保湿効果が高い軟膏は?白色ワセリンとプロペトとヒルドイドの違いについて

保湿効果が高い軟膏は?白色ワセリンとプロペトとヒルドイドの違いについて

利用者様の肌の保湿を行う際、皆さんの職場では何を使用していますか?多くの方は「軟膏」とお答えになるかと思います。

では、一般的に介護や医療で使用される軟膏には「白色ワセリン」「プロペト」「ヒルドイド」と呼ばれる種類があることをご存知ですか?

今回は、それぞれの違いや効能、用途についてまとめました。

目次

白色ワセリンとは?

白色ワセリン

白色ワセリンとは、乾燥から肌を守るためなどスキンケア目的で使用される保湿剤のことです。

一般的に軟膏と呼ばれている物よりも不純物の含有量が少ないため、赤ちゃんの敏感肌にも使用可能。

プロペトとは?

プロペト

プロペトとは、乾燥から皮膚や粘膜を保護して乾燥を防ぐワセリン(軟膏)のことです。

薬局で保湿用に市販されている白ワセリンから、さらに不純物取り除き精製したものになります。プロペトは口に入れても問題ないため、唇の乾燥や口内炎にも用いられています。

ヒルドイドとは?

ヒルドイド

ヒルドイドとは、肌の保湿や血行促進、抗炎症作用といった効果があるソフト軟膏です。

肌の乾燥を防ぐ効果がある白色ワセリンやプロペトとは違い、ヒルドイドは血流量を増やして角質の水分保持力を高める効果があります。

白色ワセリンとプロペトは同じ?

白色ワセリンを精製したものがプロペトとされていますが、最近では「プロペト=白色ワセリン」して総称している職場がほとんどです。

ただ、白色ワセリンよりもプロペトの方が刺激が少なく、副作用もほとんどありません。そのため、口の中や目の周りなど、粘膜等の薄い皮膚組織にまで使えることが特長です

保湿方法の違い

白色ワセリンとプロペトとヒルロイドの全てに保湿効果がありますが、どのようにして保湿するかが異なります。

そもそも、皮膚は元々水分を持っており、常に乾燥と水分の供給を繰り返しています。つまり、保湿を行うには乾燥を防ぐか、供給を促すかのどちらかになります。

白色ワセリンとプロペトは、皮膚に塗ることで乾燥を防ぎ、保湿を行います。これをエモリエント効果と言います。

一方のヒルロイドは、血行を促進して水分の循環と供給を増やし、皮膚本来の水分量を増やす働きがあります。これをモイスチャー効果と言います。

エモリエント効果とモイスチャー効果の保湿方法の違い

保湿力が高いのはヒルドイド

保湿効果だけで比較すると、白色ワセリンやプロペトよりもヒルロイドの方が優れていると言われています。

白色ワセリンやプロペトは乾燥を緩和しますが、時間経過によって徐々に水分量は失われていきます。

日皮会誌の実験データによれば、入浴1分後に塗布した際の角質の水分保持力は、プロペトよりもヒルドイドの方が約2.5倍高いことが報告されています。

つまり、乾燥を防ぐエモリエント効果よりも、皮膚に潤いを与えるモイスチャー効果の方が保湿力が高いのです

ヒルドイドのヘパリン類似物質は皮膚を刺激する

保湿力が高い軟膏はヒルドイドですが、ヒルドイドに多く含まれてるヘパリン類似物質には皮膚を刺激する可能性があります。そのため、粘膜等の薄い皮膚組織には刺激が強すぎるため、使用できないといったデメリットがあります。

ですので、唇、口内、目の周りなどは白色ワセリンやプロペトを用いることが一般的となっています。

正しい軟膏の塗り方

正しい軟膏の塗り方

最後に白色ワセリン、プロペト、ヒルドイドといった軟膏の正しい塗り方ですが、とにかくたっぷり塗りましょう。薄く伸ばしすぎると十分な効果が得られません。

塗った後の軟膏の厚みが100円玉ほどになるように、しっかりと覆うようにしましょう。

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