介護施設には様々な種類がありますが、生活の場として多くの人に利用されている施設には、特別養護老人ホーム(特養)と有料老人ホーム(有料)があげられます。
そこで今回は、利用者ではなく介護士目線で、特養と有料の仕事内容や設備などの違いについていくつかご紹介したいと思います。
入居者の要介護度が高いのは特養
平成27年度の改正によって、特別養護老人ホームの入居対象者は要介護3以上の方になりました。一部例外もありますが、今まで入居が認められていた要介護1〜2の方は基本的に入居ができなくなったと言えます。
しかし、有料老人ホームの場合は要支援1からでも入居できる施設がほとんど。ですので、その点から考えると特別養護老人ホームの方が要介護度が高い高齢者が多く入居しており、それだけ介護業務が大変というケースが多くなっています。
有料老人ホームの業務内容は多種多様
特別養護老人ホームはどこの職場も介護士の業務内容は似通っています。というのも、特別養護老人ホームで介護サービスを提供する場合は、ある程度の介護保険法で定められた基準に沿って運営されているからです。
反対に民間企業が多く参入している有料老人ホームには、特別養護老人ホームほど厳しい規制はなく、各施設ごとに独自サービスを実施しております。そのため、有料老人ホームは職場によって介護士の業務内容は大きく異なり複雑になっている傾向があります。
某有料老人ホームを例に挙げるとすれば、入浴は入居者様が希望する回数提供する、買い物ツアーなどが定期的にある、プールなどのスポーツ施設への付き添いを行うなど、特別養護老人ホームでは考えられない業務もあります。こういった例もあり、職場によっては特別養護老人ホームよりも忙しくなる可能性もあります。
設備面では特養が充実している?
数年前までは、特別養護老人ホームは昔ながらの老人ホームといったイメージがあり、予算が限られている地域では劣悪な設備環境の施設も存在しました。
しかし、最近の傾向では新型特養やユニット型特養という新しい特別養護老人ホームのモデルも増えており、設備面では有料老人ホームに近い高級感を持つ施設も誕生しています。
逆に有料老人ホームに関しては、以前までは高級ホテルのような外観で最新設備を兼ね備えた施設が多く見られたのですが、最近では、施設や設備を簡素化し利用者が負担する入居費用を下げて、利用者の数で収益をカバーする有料老人ホームが多くなっています。
まとめ
特別養護老人ホームでの仕事に関しては身体介護が中心となり、入居者様としっかり向き合うといった時間も取れない職場がほとんどですが、介護のスキルアップにはこれ以上の場はないでしょう。
認知症高齢者や寝たきりの高齢者が同じフロアにいることが当たり前なので、目が回るほど忙しいという点を除けば、給与やボーナスがそれなりに高く、長期的に働く場合にはおすすめの職場です。
一方の有料老人ホームは、施設ごとに多種多様な介護サービスを提供しているので、一概に仕事が大変だとか楽とは言えません。しかし、求人情報や施設のホームページから施設設備や介護方針を確認することで、ある程度の業務内容が想像できるかと思います。
給料や待遇を基準に仕事を選ぶのも良いですが、少しでも働きやすい職場を慎重に厳選することで、入職後のミスマッチが減らせます。そして、結果的に失敗しない転職に結びつくと言えるでしょう。